弊社レコードプレスにおいて、もっともお問い合わせが多いのがアートワーク・データについて。

レコード作品にはレーベル面2枚(A/B)、ジャケット、歌詞カード、DLカード…とデザインがつきもの。

今回は、アートワーク入稿において注意すべき点をご紹介します。

 

1. インキ総量について

もっとも入稿時につまずきやすい部分は、インキ総量基準を超えた入稿が多いです。

弊社条件では、CMYK総インキ量320%以下を必須としてます。他の印刷業者では350%くらいまで大丈夫なところが多いため、うっかりインキがオーバーしてしまうことが多いです。

また、弊社提携工場はヨーロッパなので印刷基準が日本と違います。カラープロファイルは「Japan color」から「Fogra coated (39)」に設定する必要があります。その上で、インキ総量を320%以下に収めます。インキ総量が基準より超えてしまうと、インクの滲みなどデザインに支障が出る恐れがあるのでご注意ください。

2. レイアウト/デザイン塗り足し

こちらはレーベル面のテンプレートになりますが、他のフォーマットと同様に赤い線が裁断線並びに折り線となります。注意しないといけない点として、この赤ラインまで色味を埋めればよいということではありません。ぴったりにデザインしてしまうと裁断したときに余白が付いてしまう恐れがあります。

よって、青い線までの塗り足しが必要となります。また、裁断誤差によってテキストや必要なデザインが切れてしまわないように水色の線の内側までデザインを収めてもらう必要があります。

中心部の穴についても、裁断誤差をなくすため穴内まで色を足してください。ドーナッツ/ラージホール盤に関して、スモールホールと混同しないよう円内側青色線まで塗り足してください。

塗り足しがない場合、デザインデータの再入稿が必要となり、納品が遅れる可能性があります。

 


こちらはジャケット(アウタースリーブ)のテンプレートサンプルになります。

ジャケット天地の糊代の部分までデザイン/色味を塗り足しが必要になりますのでご注意ください。

 

その他に注意しないといけない点として、線幅を5ptより細くすると印刷にデザインが出ない場合があります。それ以上の太さで制作してください。フォントの部分では、ビットマップデータではなくベクターデータで表現したほうが安全です。ビットマップデータだと小さいテキストなどは霞んでしまう恐れがあります。
また、4色フルカラー印刷の場合は、カラーモードを「CMYKカラー」で制作してください。
RGBカラーは、印刷に対応しておりませんのでご注意ください。

 

3. PDF入稿について
PDF入稿について、非常に多くのソフトに対応しなければならない工場側に作成元のソフトが無くても閲覧したり印刷したりすることが可能になるのでPDF形式で入稿をお願いしています。また、印刷する機能があるソフトなら、別途PDF作成ソフトなどをインストールすれば、ほとんどのソフトでPDFファイルを作成することが可能です。PDFデータで入稿をすれば、せっかく入稿用のデータを作成したのに工場側に同じソフトがないために出力することができないという事態を回避する意味合いがあります。

また、重要なのは、お客様が作成したソフトを工場側が所有していても、使用しているフォントを全て工場側が所有していないと他のフォントに置き換わったり斜体になったり、あるいは文字化けして出力されしてイメージ通りの出力結果にならなかったり、エラーでそもそも出力自体ができないことがあります。フォント埋め込み機能があるPDF作成ソフトを使用すれば、PDFファイルにフォントを埋め込むことが可能になるため、使用するフォントを気にせず入稿用データを作成することが可能です。

 

以上、長々と説明させてもらいましたが、基本的な条件はこのようになります。

 

素晴らしいアートワークデザインを形にするまで、少し難しいかもしれません。わからないことがあれば、お気軽に問い合わせてください。

 

About the Author

Ichitaro Ohara

ウルフパックジャパン・マネージャー。1980年生まれ。レコードにまつわる業務に長く関わってきた経験をもって、スムースなサービスができるよう心がけます。