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CATEGORY - レコード作り / コラム

レコードプレスに適したマスターについて

レコードプレスにはまず音源となるオーディオデータが必要です。入稿し、期待を膨らましてテストプレスが届くのを待つ。初めて針を落とすまで緊張感とワクワクする気持ちは何物にも変えがたい瞬間です。そんなとき、「あれ?思ったよりも音がよくない…」と感じることもあるでしょう。ウルフパックでは良い音のレコードをお作り出来るよう最善を尽くしますが、やはり音の仕上がりは概ね元のオーディオデータのクオリティに依存するといえるでしょう。本ブログでは最良の結果を得るためにオーディオデータをどうマスタリングするべきかをご紹介致します。

 

入稿ファイルについて

音源の形式はWAVかAIFFでのデータ入稿となり、Bit深度は16、20、24、32のいずれか、サンプリング周波数は44.1、48、88.2、96 kHzのいずれかに対応しております。MP3などの圧縮形式での入稿は受け付けておりません。

 

※Bit深度による音質的な違いについて。16bitと24bitの音質はざっくり言うと16bitは粗く、24bitはクリアな印象です。しかし、16bitの音が悪いというわけではありません。ザクザクした生っぽい音質を好む場合は16bit、よりデータに近いクリアな音像を求む場合は24bit、といった印象です。例えば、生音/バンドものはあえて44.1/16bitにすることも多いです。(これには録音段階からこのレートで行っており、工程におけるデータを揃える意味合いもあります。)デジタルなら高域も豊富な情報量を収録しているため無理なく再生できますが、アナログレコードの特性を考えると44.1/16bitは最低ラインとしても、ビットレートが高ければ高くなるほど音が良くなるとはいえません。

 


 

レコードはCDやデジタルと異なり、最終的にマスタリングされたデータがそのまま音の仕上がりになるわけではありません。レコードの音が決まるカッティングという工程では以下の内容を含む様々な制約が存在し、それらを調整する必要があります。レコードに適切なマスタリングが行われていなければより良い音の仕上がりに近づけるでしょう。

① 過度なリミッターの使用を控える

レコード用のマスタリングでのリミッターの役割はあくまでクリッピングノイズやインターサンプルピークディストーションを防ぐためで、音圧をあげるためのゲインリダクションではありません。多くのカッティングスタジオでは、RMSメーターで-10dBを超えないようにし、0.1〜0.5dBほどヘッドルームを残しておく方が良いとされます。これは適切な値でありますが、あくまでデジタル信号での話でレコードのカッティングはアナログ領域で行われるため、実際に仕上がるレコードのボリュームに直結はしません。音楽のジャンルによってRMS値の尺度は異なるため明確な基準はありませんが、RMSメーターで-8dbを超えるようなオーディオデータは、カッティング時に何かしらの問題が起きる傾向があり、音圧、音質、音量の間でいくつかの妥協に迫られるでしょう。ただその一方で、レコードになった時に音量の小さな部分が聞き取りにくかったり、もしくは失われてしまったように聴こえることがあるので、避けるために少量のコンプレッションがキモであることも事実です。上記の内容が歪みの軽減とダイナミックレンジの確保に繋がり、音質に優れ、ボリュームの大きいレコードを作るための手助けとなるでしょう。

 

② 低域の逆相成分に注意する。

300〜500Hz以下の低域に含まれる逆相成分は、針飛びを起こす不安定なレコードの溝の原因となり、場合によってはカッティングそのものが不可能な場合もあります。逆相成分のチェックはiZotope Ozone ImagerやWaves PAZ Analyzerなどのフェイズメーターで可能で、通常のLPであれば90度、クラブミュージックなどラウドな仕上がりが好まれるジャンルでは60度を超えないようにしてください。いくつかのカッティングスタジオでは100Hz〜200Hz以下をモノラルにするよう推奨していますが、これは逆相成分のケアになると同時に、スピーカーに対して有益なステレオイメージのための一般的なマスタリングのテクニックでもあります。

 

③ 高域のケア

3kHz〜10kHz辺りに含まれるボーカルの摩擦音やハイハット、シンバルなどの高周波(シビラント)は、カッティングアンプへのダメージとなると同時に、再生時の歪みの原因となるため、必ずディエッサーやマルチバンドコンプ、ダイナミックEQなどを使用してトリートメントしなければなりません。特に5〜6kHz辺りのハイハットの音はレコードになると摩擦音が猛烈にブーストされてしまう場合があるため、丁寧に抑えるべきといえます。例えばボーカルのシビラントをディエッサーを用いて調整する場合、ボーカルの全てのピークに作用するようゲインリダクションを定め、全ての歯擦音を捉えるために2~3つ以上のディエッサーを異なる周波数で直列に使用することをオススメします。しかしボーカルの歯擦音を適切なレベルまで下げるとボーカルの音量が少し小さく感じるかもしれませんので、理想ではマスタリング段階ではなくミキシング段階で個々のトラックにかけて調整する方が良いでしょう。

 

④ 過度にステレオイメージを広げない

デジタルデータと違いレコードは物理的制約があり、許容範囲外のステレオ成分は減衰するか消失してしまいます。そのためステレオイメージャーによるステレオ幅の増幅は最低限に抑えるよう推奨しています。

 

⑤ 収録帯域の把握

サイズや回転数によって異なりますが、レコードの収録帯域は上は20Hz〜15kHzまで、下は約20Hzまでとなります。そのため、40 Hz以下と16 kHz以上は(12 or 18 dB/oct程度)で段階的にカットし、20Hz以下と20kHz以上は完全にカットするよう推奨されています。


 

以上、レコードプレスの際に必要なオーディオファイル作成のポイントをご紹介しました。もちろん楽曲によってキャラクターや特性は変わるので処理すべき点は異なりますが、上記の内容をふまえてオーディオデータを作成してみてください。

Ichitaro Ohara

ウルフパックジャパン・マネージャー。1980年生まれ。レコードにまつわる業務に長く関わってきた経験をもって、スムースなサービスができるよう心がけます。

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