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CATEGORY - レコード作り / コラム
テストプレスの確認方法
①テストプレスとは
レコードを実際に製造する前に、音質や溝などの仕上がり、収録曲順の最終確認のチェックなどをすることが出来ます。テストプレスはTOPの写真のようにラベル印刷は無く、カラーやピクチャーレコードのご注文でも通常の黒色のレコードで、ご注文頂いてから約3~4週間でお届け致します。注意点としましては、テストプレス確認後のオーディオデータの差し替えや曲間の無音溝の秒数や曲順の変更などは、レコードの大元となるマザー盤を作り直す=カッティング作業をやり直す必要があるので、カッティング料金が再度発生するということです。
※弊社工場では最先端のレコードの生産技術の一つであるDMMを採用しており、従来のレコード製造方法であるラッカー盤へのカッティングではありません。(ラッカー盤からの製造も可能ですのでお問い合わせください。)DMMはマザー盤より前の工程を省くため、ノイズの低減や収録時間の増加などのメリットがあります。詳しくはこちら
②届いたテストプレスの確認方法
必ず届いた5枚のテストプレスを全て確認してください。全てを確認することで、例えばノイズや針飛びを見つけた場合でも、それがホコリや静電気によるものなのか、再生環境に問題があるのか、それともプレス工程に問題があったのかがわかります。テストプレス出荷前に弊社工場のスタッフが再生チェックを行なっているため、滅多に起きない例ではありますが、5枚全ての同じ箇所に不具合がある場合は、カッティングかスタンパー作成時に何らかのミスが起きている可能性があります。弊社レコード工場のミスであると判明した場合は、無償ですぐにカッティングとテストプレスを作りなおさせて頂きますのでご安心ください。
※ポータブルプレイヤーや1万円前後の精度の低いプレイヤーでの再生は、針飛びやノイズ、歪みなどの原因になりますので基本的にオススメしておりません。またレコードは再生環境によって聞こえる音が変わりますので、可能であれば複数の環境(プレイヤーや針)での再生をオススメ致します。
③音質について
レコードはCDやデジタルと異なり、最終的にマスタリングされたデータがそのままの音となるわけではありません。まずご入稿して頂いたデータをカッティングしますが、レコードにするには大音量の高域(カッティングマシーンへのダメージとなる)や、シビラントや高周波の鋭い音(歪みの原因となる)、位相(低域の逆相は音飛びや歪みの原因となる)などをカッティング前に調整する必要があり、そのプロセスでデータに変化が生じます。勿論レコードプレスを想定したマスタリングが適切に行われていれば、カッティング・エンジニアは最低限の処理でカッティングを行う事が出来ますので、音の変化は抑えられます。また昨今の流れやS/N比を踏まえて、弊社では可能な限り音量をあげてカッティングしておりますが、ヘッドルームに余裕がない音源や、高域〜低域のバランスがレコード向きではない場合、バランスが崩れてあまり良い結果になりません。
※専門のエンジニアによるレコード用のマスタリングのご注文も承っております。詳しくはこちら
④テストプレス到着後の内容の変更
前述した通り、テストプレス確認後の内容の変更はカッティング料金が再発生し、テストプレスを作り直す場合も再度テストプレス料金がかかることになります。わからない事があればお気軽にご相談ください。
Taguchi Rei
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