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CATEGORY - レコード作り / コラム
レコード用マスタリングの革新的ツール TDR SimuLathe REF
ソフトウェア・メーカーTokyo Dawn Labsより発表されたプラグインTDR SimuLatheは、カッティングマシーンを所有していないマスタリング・エンジニアがレコードのためにミキシングやマスタリングを行う上で非常に強力な味方となるでしょう。TDR SimuLathe “REF”とTDR SimuLathe “CUT”がリリースされましたが、本ページでは専門的知識を要する”CUT”ではなく、非カッティング・エンジニアやプロセスに関心のあるユーザーのために作られた”REF”バージョンを軸に、主にプリマスタリング(カッティング前の最終調整をマスタリング、入稿時のデータをプリマスタリングされた状態と考えます)に役立つ内容をご紹介させて頂きます。
我々ウルフパックが考える適切なプリマスタリングとは、ブログ「レコードプレスに適したマスターについて」で紹介したカッティング時にケアしなければいけない部分が適正に処理されていて、カッティングエンジニアが最低限の処理でカット出来る状態になっていることです。レコードは収録時間やフォーマット、音源の性質によって、音圧、音質、音量の間でいくつかの妥協に迫られる事が多いですが、最低限の処理で済めば、意図しない音質の変化が起きずにレコードを仕上げられるので製作者のイメージが大きく崩れることもありません。
※このプラグインが実用段階に達しているのかの検証は済ませておりません。
Disc Cut Controls
フェイズメーターで低域の逆相成分のチェックが出来る他、GainやWidthをコントロール出来ます。レコードはボリュームが大きく入れば入るほど一本一本の溝が使う領域が広くなるため、物理的に溝を掘れる範囲が決まっているレコードというフォーマットでは好きなだけボリュームを稼げるというわけではありません。よってカッティングエンジニアの腕の見せ所というのは、レコードの使用量を適切に保ち、グルーブの形状を許容内に維持しながら、いかに歪む手前まででいかにボリュームを稼いでカット出来るのかということでしょう。
Processors Controls
このセクションではEQやElliptical Filterを使用してレコードに適したバランスを作ることができます。例えばDisc Cut Controlsセクション内のフェイズメーターが不適切であった場合にElliptical Filterを用いて適正範囲まで調整してみてください。
Lathe Controls
溝の太さやベロシティをシュミレート出来ますがカッティングの領域となるため割愛します。TempやCurrentメーターに注意し、Circuit Breaker Warningに注意してみてください。
ウルフパックでは専門のエンジニアによるレコード用のプリマスタリングや、マスター盤のカッティングのサービスも承っています。レコードの音質を良くするために、是非お気軽にお問い合わせください!
Taguchi Rei
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