テストプレスとは
プレスするレコードの音質や溝などの仕上がり、収録曲順の最終確認をするための確認用ディスクです。本プレスを開始する前にテストプレスを確認することで、音質やノイズ、針飛びをチェックすることが出来ます。
テストプレスはラベル印刷は無く、カラーやピクチャーレコードのご注文でも通常の黒色のレコードで、ご注文頂いてから約3~4週間でお届け致します。注意点としましては、テストプレス確認後のオーディオデータの差し替えや曲間の無音溝の秒数や曲順の変更などは、レコードの大元となるマザー盤を作り直す=カッティング作業をやり直す必要があるので、カッティング料金が再度発生するということです。
7インチ テストプレス 5枚…10480円(税抜)
12, 10インチ テストプレス 5枚…12,440円(税抜)
※送料込み(北海道、沖縄及び一部離島は別料金となります。)
テストプレスは、レコードの音響的な品質のみを承認するための工程です。他の欠陥 (例:ラベルずれ、音質に影響を及ばさない程度の反りなど) に対するクレームは受け付けられません。承認されたサンプルは、完成品の音響的品質を評価するための基準として使用されます。
テストプレスは「ヘビーウェイト」(7インチ=70g / 12インチ=180g)のみで提供され、テストプレスに「スタンダードウェイト」の選択肢はありません。また、テストプレスは本製造品3,000枚以上のご注文の場合は必須となります。3000枚以下のご注文場合はテストプレス工程を省くことは可能です。
※弊社工場では最先端のレコードの生産技術の一つであるDMMを採用しており、従来のレコード製造方法であるラッカー盤へのカッティングではありません。(ラッカー盤からの製造も可能ですのでお問い合わせください。)DMMはマザー盤より前の工程を省くため、ノイズの低減や収録時間の増加などのメリットがあります。詳しくはこちら
テストプレス確認後の対応について
テストプレス到着後は、納期に影響が出ますので速やかに承認をお願いします。ご送付後3日以内を目安にご返信ください。必ず届いた5枚のテストプレスを全て確認してください。全てを確認することで、例えばノイズや針飛びを見つけた場合でも、それがホコリや静電気によるものなのか、再生環境に問題があるのか、それともプレス工程に問題があったのかがわかります。
テストプレス確認後の音質面の変更は基本的に対応ができません。工場側のプレスミス(盤反り、音飛びなど)が発生した場合のみ対応致します。
それ以外でテストプレスをやり直す場合カッティング費とテストプレス費が追加で発生します。カッティングのみやり直しの場合はDMMカッティング費のみ追加となります。テストプレス出荷前に弊社工場のスタッフが再生チェックを行なっているため、滅多に起きない例ではありますが、5枚全ての同じ箇所に不具合がある場合は、カッティングかスタンパー作成時に何らかのミスが起きている可能性があります。弊社レコード工場のミスであると判明した場合は、無償ですぐにカッティングとテストプレスを作りなおさせて頂きますのでご安心ください。
※ポータブルプレイヤーや1万円前後の精度の低いプレイヤーでの再生は、針飛びやノイズ、歪みなどの原因になりますので基本的にオススメしておりません。またレコードは再生環境によって聞こえる音が変わりますので、可能であれば複数の環境(プレイヤーや針)での再生をオススメ致します。
音質について
レコードはCDやデジタルと異なり、最終的にマスタリングされたデータがそのままの音となるわけではありません。まずご入稿して頂いたデータをカッティングしますが、レコードにするには大音量の高域(カッティングマシーンへのダメージとなる)や、シビラントや高周波の鋭い音(歪みの原因となる)、位相(低域の逆相は音飛びや歪みの原因となる)などをカッティング前に調整する必要があり、そのプロセスでデータに変化が生じます。勿論レコードプレスを想定したマスタリングが適切に行われていれば、カッティング・エンジニアは最低限の処理でカッティングを行う事が出来ますので、音の変化は抑えられます。また昨今の流れやS/N比を踏まえて、弊社では可能な限り音量をあげてカッティングしておりますが、ヘッドルームに余裕がない音源や、高域〜低域のバランスがレコード向きではない場合、バランスが崩れてあまり良い結果になりません。
※専門のエンジニアによるレコード用のマスタリングのご注文も承っております。詳しくはこちら
テストプレス到着後の内容の変更
前述した通り、テストプレス確認後の内容の変更はカッティング料金が再発生し、テストプレスを作り直す場合も再度テストプレス料金がかかることになります。届いたテストプレスの音が良くなかった、イメージと違ったと感じられた場合、以下のレコードプレスに適したオーディオデータをお読み頂き、適切なオーディオデータでの進行をオススメ致します。わからない事があれば是非お気軽にご相談ください。
・レコードプレスに適したマスターについて
(レコードプレス向けオーディオデータの作り方とカッティング方法の種類の解説)
・レコードプレスに適したマスターについて 〜その2
(ファイル形式とビット深度、デジタルとアナログのマスタリングの違い)
・レコードプレスに適したマスターについて 〜その3
(デジタル、マスタリング無し、アナログ、3種の音源をカッティングして比較)